アジア旅写真「いつかどこかで」スローシャッター

スローシャッター ~写真の隙間の物語~

 何気ない一枚の写真。ですが、その写真が撮影されるまでには、撮影者しか知らないたくさんの出会いや別れ、トラブルや大自然からの洗礼、そして思いもよらない偶然が積み重なります。写真を見ているだけでは決して知りうる事のできない舞台裏こそ、写真を撮るために旅に出る-面白さなのではないか?と私はいつも考えています。ここでは、そうした普段語られる事のないストーリーを『スローシャッター』と称して、少しではありますが不定期でご紹介していきます。

File1 ミャンマー アラマプラ 『世界で最も長い橋に夕日が沈む、その時を目指して』
File2 ベトナム カントー ハウザン後江 『アジア最大の水上マーケットを探す旅』
File3 中国・雲南省 元陽 『ハニ族の雲の上の梯子』

File No1 ウー・ペイン橋

ミャンマー アラマプラ
『世界で最も長い橋に夕日が沈む、その時を目指して』
2008年10月26日公開

 ウー・ペイン橋は200年前にインワからアマラプラに遷都された際に作られた木造建築の橋で橋の長さは1.3キロ、木の本数は1086本使われており、木造建築の橋としては世界で最も長いとされているそうだ。この橋の存在を知ったのは私が世界1周のひとり旅をしていた1998年のこと。しかしその時は色々と事情があって、この橋には行く事が出来なかった。そしてその願いが適ったのは、ミャンマーを訪問し始めて3回目の2004年、5年後の事だった。この橋には実は3日連続通い続けた。なぜなら思うような写真が撮れなかったからなんです。この橋の一番素敵な時間帯は夕暮れ。真っ赤に染まった夕暮れの空とウーペイン橋のシルエットは非常に素晴らしいものがあります。そのシーンを撮りたくて、結局夕焼け待ちで3日間も通うハメになってしまった。

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 朝、マンダレーのバス停からローカルバスに乗り込み、地元の人たちと一緒にアラマプラへ向かう。混んでいる時はバスの天井の方が涼しくて快適なのでよく天井に乗って移動したりします。バスの天井にいると、注意しないといけないのが、カーブと前方確認。電線や木の枝が近づいてくると天井に座っている人みんなで一斉に床スレスレまでしゃがむんです。それにカーブなど遠心力で落ちそうになりますので、しっかりと踏ん張っておかないと振り落とされますから。でも、そんな事をしてたりすると乗っている人たち同士、すぐに仲良しになっちゃいますね。

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 橋に着くとさっそく挨拶がわりに橋を歩きます。ちょうど乾季と雨季のはざまの蒸し暑い頃でしたので、橋の上にいるだけで太陽と水面からの照り返しでかなり暑くなります。それはミャンマーの人も同じらしく、雨傘を日傘代わりにさして歩いたり、橋の途中にある休憩用の小屋で昼寝を決め込んでいる人もチラホラ。1.4キロもありますから渡りきるのに2~30分はかかってしまいますからね。そんな橋をカメラをもってウロウロ。対岸の村々を訪れたり、橋のたもとの食堂で昼間っからおいしいミャンマービールを飲んだりとゆっくりと流れる時間を楽しんで過ごしていました。そして夕方になると前もって決めておいたポイントで夕日の落ちるのをジッと待つ訳なんですが、既に厚い雲が覆われちゃってたり、夕日のところだけ雲がかかり、空が染まらなかったり・・・。日没で真っ暗な道をバス停まで歩き、「明日こそは!」とマンダレーに帰るのでした。3日目は午後から雲がはり出し、「今日もダメか。」と期待薄で夕方まで待っていましたが、夕暮れが近づくと西の空の一部が開けて、夕日を見れるチャンスが訪れました。明日は他の町に移動する予定でいましたので、今日撮れないと次は何年後にここに戻ってこれるかわかりませんでしたので、本当にラッキーな瞬間でした。
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<アクセス>ウー・ペイン橋のあるアラマプラはマンダレーの南約11㌔に位置する。マンダレーからローカルバスで約40分。付近にはミャンマー国内最大級のマハーガンダーヨン僧院があり、国内から集まった1000人を越える僧侶が修行を行っている。日本からマンダレーを訪れるツアーの場合、このマハガンダーヨン僧院は必須の観光地でもある。


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